それでは、1・2・3回目で説明したことを踏まえて具体的な例をもとにPLCの接続とプログラム入力の例をみていきたいと思います。簡単な例として、スイッチを押したらランプがつくように設置してみましょう。接続のイメージとしては、こんな感じになりますね。

PLCと機械の接続
実際にPLCに電源とスイッチ、そしてランプを接続してみましょう。使うのは下記の3点(PLC、スイッチ、ランプ)です。 (※)スイッチはモーメンタリタイプを使用



スイッチには”モーメンタリタイプ”と”オルタネイトタイプ”があり、モーメンタリはスイッチを押している間だけ”ON”になり、オルタネイトはスイッチから手を離しても”ON”状態が保持されるスイッチです。モーメンタリはスイッチから手を離せば自動で”OFF”になるので自己復帰タイプともいわれており生産設備などではこちらがよく使用されています。モーメンタリは自動でOFFになる設定なので、接続を保持したい場合は別途、自己保持をプログラムでもたせてあげる必要があります。
入力部
では、PLCに電源を接続していきましょう。このPLCはKV-N24DTなのでDC電源になります。コンセントから電源を取る場合はコンセントがAC電源なので、電源ユニット(交流→直流へ変換)を使ってDC電源を使用していきます。

次にCOMにプラスの24V線を接続します。ここではC0番に接続します。

次にスイッチです。今回はリレー番号000を使用したいと思いますので000番に信号線を接続し、もう片方はマイナスの0Vを接続します。

接続が完了したので、正しく作動するか電源をいれ、入力ランプが点灯するか確認してみましょう。
ここまで接続に問題がなかったら続いてKVstudioを立ち上げてラダープログラムを作成します。今回使用するリレー番号は、スイッチが000番、ランプを500番として使用したいと思います。よって、この二つを使ってラダーを作成すると下記のとおりになります。簡単な回路ですね。

この回路を実際にPLCに転送して、000番のスイッチをおしたら500番の入力がON(ランプが点灯)するかを確認してみましょう。
今の状態だとスイッチから手を離すと入力がOFFになりますので、自動的に500番のランプもOFFになってしまいます。000番のスイッチを一度いれたら500番はずっと点灯するようにするにはどうすればよいのでしょうか。それは自己保持を設定してあげることで解決できます。自己保持をいれた回路は下記のようになります。

上記のように自己保持の設定を入れてあげることで、スイッチから手を離してもランプはついたままの状態を保つことができます。それでは実際にPLCにラダープログラムを転送して、500のランプが点灯するかみてみましょう。

ラダー上でも自己保持によってランプがずっとON状態になっていることがわかりますね。これで自己保持の回路は完成です。
次は、このままではずっとランプが点灯しているままなので、接点を解除する必要がでてきます。そのためには新しくリセットボタンを追加してみましょう。スイッチと同様に今度は003番にリセットボタンを接続してみます。000番の時と同様に片方には003からの黄色の信号線、もう片方には0vの青線を接続してあります。

リセットボタンの接続ができたので、今度はプログラムにリセットボタンの接点を追加します。リセットボタンがONになった時に回路の電流を遮断したいのでB接点として使用します。配置場所は下記のようになります。

ではPLC上で、上記のプログラムでリセットボタンを押したら、500のランプが消えるのかみていきましょう。

ラダー上でも003の接点がONになったことでB接点が稼働し、ランプが消えていることがわかりますね。
ここまでが入力部の接続とPLCのプログラムになります。
出力部
ここまで理解できましたら、続いては出力部についてみていきましょう。出力部にはランプを実際に接続してみましょう。今回は下記のランプを使用します。


入力部と同じように出力部のCOMにはマイナスの0V線を接続します。ここではC1番に接続します。
今回のライトはプラスの線が黒色なので、黒色の線を24Vに、赤色の線を500番に接続していきます。
接続が完了したら、きちんとライトが点灯するか確認してみます。先ほどのラダー上(下記参照)にて、すでに500番を記載していますのでスイッチを押したら点灯するかみていきます。


【補足】リレー落としについて
先ほどのランプは使用する電流が24Vなのでそのままの接続が可能でしたが、使用電力が100Vや200Vのモーターなどは直接接続ができませんので一度リレーを経由して接続することが必要になります。こうすることで、大きな電流のモーターもリレーが働くことで機械を動かしてくれます。イメージとしては下記のとおりになります。PLCとモーター(可動部)の間にリレーを介して接続していくようになります。

実際にリレーを介して配線すると下記のようになります。PLCとリレーの入力側(コイル部分)はDC電源、リレーの出力側(接点部分)はAC電源に接続しています。リレーの内部はコイル部と接続部に分かれているので、それぞれ使う電圧を分けて使用することが可能となります。また今回使用しているリレーは4つのリレーが独立している(ピンク点枠が4個ある)ので、それぞれで制御することが可能となっています。
